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2018年1月3,4日

​仙丈ヶ岳

新年、明けましておめでとうございます!

 2018年一発目は仙丈ヶ岳に登ってきました。年末年始の休みに山へ登るのは17年ぶりです。その17年前は悪天候で黒百合ヒュッテでキャンプしただけで帰ってきたので「登った」うちに入らない感じですが。

 今回は北沢峠こもれび山荘に泊まりました。北沢峠は眺めが皆無に等しいので私にとってキャンプする価値が低いからです。雪が無いときならまだしも、クソ寒く眺めが無いところでキャンプしても面白味がありません。混雑していない暖かい小屋でぬくぬく。たまにはいいものです。

<1日目、1月3日>

戸台~北沢峠こもれび山荘

 仙丈ヶ岳は地元山梨県南アルプス市とお隣長野県伊那市の堺に位置します。地元の山に登るために車で2時間もかけて隣の県の登山口へ行くのも妙な感じです。

 戸台登山口河原駐車場、初めて来ました。この日は雪がちらつく天気。夜に雪が降ったらしく美和ダム上流部から路面に雪。戸台大橋から先は道が細くて右は崖、「対向車来たらどうすんだよ?」とドキドキでした。

 

 

 

 登山指導所、誰もいませんでしたが。看板の「遭難者の共通点」の一つ「登山届未提出」。これについては登山口で登山届を書いている人がたくさんいますがこういう人も失格でしょ。「帰ってこない→捜索願い」で初動早くなるのは家族や知人に登山届を渡していればこそです。

 

 

 

 気温は-3℃、陽がさしていないからなのか初めて歩くルートで緊張しているのか温度計の表示よりもっと寒く感じました。寒すぎて車の中で身支度しましたがこんなこと初めてです。アプローチでは「ももひき+オーバーパンツ」がいつものスタイルなのですがこの日は始めから「ももひき+フリースパンツ+オーバーパンツ」で歩きました。

 8:30出発。正面、川に向かって歩いていきます。

 

 

 

​ 始めから河原歩きかと思っていましたが15分くらいはこんな感じの道を歩きます。数台の車がこの道にまで入り込んでいましたが駐車場からすぐのところは道というよりは河原って感じで石がゴロゴロだったのでよく入り込む気になれるなと呆れました。

 

 

​ 15分ほど歩いて一つ目の砂防提を越えると河原歩きが始まります。歩きづらいのなんの。この先、ところどころ未舗装の工事用道路もあります。昔はずっとつながっていたんだろうけど川の氾濫でえぐられちゃったんだろうねえ。

 

 

 

​ しばらくすると進行方向左側(川右岸)に廃屋。下調べで廃屋があることは把握していましたが何の小屋だったんですかね?

 

 

 

​ 駐車場から40分ほど歩いて白岩堰堤。下山してくる人たちはみんなかなり着込んでいましたが翌日の下山時にその理由を知りました。

 

 

 

​ 第2堰堤。白岩堰堤と第2堰堤の間はスケートリンクのように凍結しているので要注意です。雪が被っていたので気が付かず、滑ってすっ転びました。

 

 

 

 9:45、唐沢出合というところ。さびれたルートだと想像していましたがこういった道標がけっこうあり親切です。南アルプス市も見習ってほしいよ。

 

 

 

​ 上部は荒れた天気ですがときおり双児山が姿を現します。河原を歩いたり、進行方向右側(左岸)の普通の登山道を歩いたり。赤布やペンキマークは豊富なので迷うことはありませんでした。

 

 

 

​ 10:12、歌宿沢出合。「一般登山道ではありません」と書いてありましたが道なんかあるようには見えません。アイスクライミングする人が入るようですね。登り詰めればスーパー林道の歌宿バス停近くに出るっちゅうこんか?

 

 

 

​ 10:17、角兵衛沢への分岐。ここから鋸岳第一高点直下へ登るんか。たしかに沢なんだろうけど見上げると崖のように切り立っていて恐ろしいわ、この鋸岳ルート。

 

 

 

​ 熊穴沢分岐。歌宿沢、角兵衛沢といい一般ルートではないのに道標があるんだからそれなりに利用する人がいるということですね。黄色丸したところに猿の腰掛けが生えてます。

 

 

 

​ 赤河原分岐点近くの橋。凍結してたら歩かず座りながら渡ろうと思ってましたが凍結していませんでした。こうやって整備してもらえることはありがたいことです。

 

 

 

​ こんな看板無ければどういうルートだ?と地図を確認することもないのですが・・・。あえて何も書かないほうがいい場合もあると思いますが入り込む人がいるんでしょうね。

 

 

 

​ 11:00、ダラダラと戸台川を遡上してきて薮沢側に入り丹溪山荘直下の八丁坂入口。

 

 

 

​ 南アルプススーパー林道のせいで廃屋となった丹溪山荘。

 

 

 

 割れた窓から中を撮影。気味が悪いので変なモノが写ったりしねえだろうなと心配しましたが写ってました!よく見てください、奥に緑色のテントが!

 この写真を撮った時にはテントがあったなんて全く気が付きませんでした。ホームページを作るために写真を確認して初めて気が付きました。びっくりというか、キモ!

 

 

 

​ 厨房らしきところです。荒れていますが農鳥小屋よりマシかもしれません。

 

 

 

​ 八丁坂の雪はこんな感じ。薄雪でした。登りも下りもノーアイゼンで問題ありませんでした。

 

 

 

​ 11:45、なんか傾斜が緩くなってきたなと思っていたら八丁坂ノ頭。つまり八丁坂は終わり。丹渓山荘探検も含めて45分だからさほどキツイところではありませんでした。小屋泊で荷物が軽いので楽です。気温は-9℃くらいでした。

 

 

 

​ 12:45、太平山荘まで来ました。この先は林道ではなく近道にトレースができていたので助かりました。

 

 

 

​ 13:00、こもれび山荘に到着です。駐車場から4時間半、山と高原地図のコースタイムが5時間半ですから私にしては上出来です。小屋入口前の温度計は-12℃でした。

 

 

 

 小屋泊するのは2001年2月に黒百合ヒュッテに泊まって以来です。冒頭で書いたように北沢峠でキャンプする気になれなかったことに加え、こもれび山荘は食事が評判+寝床が個室のようにカーテンで仕切られているということから泊まってみたいと思いました。

 

 

 

 ネットを見れば多くの人が紹介していますがこれが個室的ペース。個々に読書灯あり。消灯前でも気兼ね無く横になれるのでありがたいです。20年以上前の甲斐駒七丈小屋では布団を敷く前に寝っ転がると小屋のオヤジが怒り出す始末でしたのでそれに比べたら超天国です。今では七丈小屋は有名登山家が支配人なのでそんなことはないんでしょう。

 でもこのスペース、欠点があります。寒いです。小屋暖房の暖気が入って来ません。息を吐くと白くなります。7℃しかありませんでした。

 

 

 

​ 2階はオープンです。1階の薪ストーブの上が吹き抜けになっているので2階のほうが暖かいです。小屋の人も2階のほうが暖かいと言っていました。1階が満室(?)になると2階になるようです。2階に居た人いわく16時くらいまではめちゃくちゃ寒かったそうです。

 

 

 

​ 17:00、待ちかねた夕食です!メインは分厚い包み焼ハンバーグ。あとエビとごぼうのから揚げ。うまかったっす!

 

 

 

​ 消灯は20時。テントと違い超快適なのになぜかよく眠れませんでした。でも時間を確認するといつの間にか3時間くらい経過していたりしたので眠ってはいたようです。頻繁に目が覚めたわけです。

 快眠できなかった理由に翌朝への不安があったかも。晴れの予報でしたが、気温は-19℃くらい、風速は12mくらいの予報。3,000mの冬山では常識程度か好条件に入るくらいと思いますが、自分の冬山経験の中では最も稜線に出ている時間が長く手先/足先が冷える末端冷え性の私に耐えることができるかという不安です。

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